私たちのような支援機関としては日常業務の一つである、空港への送迎の一日についてお伝えします。
今回は、ミャンマーから日本の新しい仲間となるために来日する、大切な社員を迎えに行った日の様子をレポートします。
採用活動が終わり、ビザ申請も完了。いよいよ来日当日を迎えようとしている人事担当者や経営者の皆様に、迎え入れのプロセスの様子を感じていただけたらと思います。
午前5時30分、初日の段取りは早朝から始まっている

送迎の一日は、まだ街が眠っている午前5時30分から始まることもあります。長旅で疲れて来日する外国人を迎え入れるため、体調管理はもちろん、当日の段取りを再度確認する時間です。迎えに行く時間、交通手段、空港での待ち合わせ場所など、一つひとつに抜けがないか最終チェックを行います。この日も便にトラブルがあり、飛行機は大きく遅れて到着しました。
この日の気温や湿度をチェックしておくことも大切です。もし体調を崩してしまった時に、すぐに「少し暑いですね」「水分をとりましょうか」といった声かけができます。こうした細やかな配慮もミャンマー語が話せる社員が常時いることの強みとなります。
静かな街並みから、日本での生活を想像する
まだ人通りが少ない早朝の街を空港に向かいます。通勤や通学で賑わう日中の風景とは全く異なる、静かで穏やかな日本の姿。道中、早朝ランニングの方とあいさつをしました。

田舎であれ、都会であれ、あなたの今いるその街並みこそ、彼らがこれから住み、働き、生活していく日本の日常です。彼らが感じるであろう期待や不安を想像し、これから安心して働ける環境を整える責任を改めて感じます。もちろん、何もなければもっと寝ていたいです。
ようこそ日本へ!感動の対面
羽田空港に到着し、フライト情報を確認しながら待つこと数十分。午前9時過ぎ、「Arrivals 到着」のゲートから、ついに新しい仲間が姿を現しました。長旅の疲れもにじむ中、私たちを見つけて安堵したような、希望に満ちた笑顔を見せてくれました。

この瞬間の対面は、採用プロセス全体の集大成であり、最も大切なフェーズと言えます。温かい言葉をかけ、荷物を一緒に運びながら、日本での新生活が始まる喜びを分かち合います。初めて外国人社員を空港で迎える際は、笑顔で「おはようございます」や「こんにちは」と声をかけましょう。ここは、お互いの第一印象を決める大切な場です。フレンドリーな挨拶からコミュニケーションを始めると、相手の緊張もほぐれ、良い関係を築く第一歩となります。
空港でのお迎えは、単なる移動のサポートではありません。 これは「会社としてあなたを心から歓迎している」という、何よりも雄弁なメッセージです。
なぜ空港まで迎えに行くのか?

今回ご紹介したように、空港までお迎えに行くことは、様々なメリットを生み出します。
- 信頼関係の構築: 長旅で不安な気持ちを抱えている時に、会社の担当者が迎えに来てくれることで、大きな安心感と会社への信頼感が生まれます。
- スムーズな入国手続きのサポート: 複雑な入国手続きや荷物の受け取りも、言葉のわかる担当者がいるだけでスムーズに進みます。
- 初日の良い印象: 日本での第一印象は、今後のモチベーションや定着率に大きく影響します。温かい迎え入れは、新しい社員の会社に対するロイヤリティを高めます。
この「迎え入れ」というプロセスは、単なる事務的な手続きではありません。それは、新たな仲間を迎えるための大切なステップです。この瞬間から始まる信頼関係の構築こそが、彼らが日本で活躍し、すぐやめることなく長く定着し、企業が存続するための確固たる土台となると筆者は考えます。
空港から住まいへ:日本での生活がここから始まる
空港から住まいに向かう車内や電車内は、彼らが日本で初めて見る景色に触れる時間です。日本の街並みや人々の様子、そしてこれから住む場所の風景。これらは、彼らにとって期待と不安が入り混じった、忘れられない体験となるでしょう。
この道中、ただ静かにするのではなく、日本の交通マナーやゴミの分別方法といった、生活に密着した情報を優しく伝えることが大切です。また、スーパーやコンビニ、病院の場所など、日々の生活に欠かせない情報を教えてあげると、安心感はぐっと高まります。私たちが同行するケースでは、そのようなことを必ずミャンマー語で伝えるようにしております。
市役所での手続き:スムーズな手続きで安心を提供
住居が決まったら、次に行うべきは市役所での手続きです。入国後90日以内に、住民票の登録や在留カードの住所変更を行う必要があります。これらの手続きは、外国人材が日本で働く上で不可欠なステップです。
市役所では、多くの書類を記入したり、複雑な手続きをしたりする必要があります。言語の壁もあるため、担当者が同行し、手続きをサポートすることで、彼らは安心して手続きを進めることができます。
銀行口座の開設:日本での生活の基盤を築く
日本で生活するためには、銀行口座が不可欠です。給与の受け取りや日々の支払いに必要となります。銀行口座の開設には、在留カードやパスポート、住民票などの書類が必要となるため、事前に確認し、準備しておきましょう。
銀行によっては、外国人向けのサービスを提供している場合もあります。そうした情報を事前に調べておくと、手続きがよりスムーズに進みます。銀行員とのやりとりをサポートし、手続き完了まで見守ってあげることで、彼らの日本での生活は、よりスムーズで確実なものになります。
まとめ:迎え入れのプロセスは、未来への投資
空港から住居、そして市役所や銀行での手続きまで、一つひとつのプロセスは、外国人材の日本での生活を円滑にする上で非常に重要です。これらのサポートは、単なる手続きではなく、「私たちはあなたを大切にしています」というメッセージを伝える機会であり、彼らが日本で活躍し、企業が生き延びていくための確固たる土台となります。
外国人材の採用は、日本の多くの企業にとって新しい未来を切り開くための大切な一歩となりえます。彼らが安心して日本での生活をスタートできるよう、温かく、そして手厚くサポートしていきましょう。わからないことは何でも弊社までお問い合わせください。